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超今更だけど山縣 亮太 選手の凄さについて好き勝手書く

 

山縣選手、アジア大会100m準決勝を10秒10の1着で通過。

このあと決勝ですが、かなり良い結果が期待できるのではないでしょうか。

 

 

 

山縣選手といえばリオ五輪での活躍や、その後日本歴代2位の10秒00を筆頭に

日本短距離界を牽引する選手の一人ですが

 

 

最近は検索しても「これが山縣選手の筋肉!気になる所属先、彼女は!?」

みたいな記事が増えすぎてモヤモヤしているので、この機会に山縣選手のヤバさを勝手に書こうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

山縣選手が全国区で大いに注目を集め出したのは高校生になってからでしょう。

 

高校3年生の時には負傷の影響でインターハイこそ優勝できませんでしたが

秋の国体では優勝。この年の自己記録は10秒30。

 

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体幹の安定もさることながら、無駄な蹴り込みもなく恐ろしくスムーズなフォームです。

並の一流選手であれば(並の一流選手というのは変な表現ですが)、このフォームが完成形でしょう。

 

 

余談ですが、高校生当時の山縣選手はホームページも持っていまして、

日記に体幹・スタビをやった話がかなり頻繁に出てきていました。

 

 

 

普通の考えでいけば「現状に上積み」をして記録の向上を目指しますが、

山縣選手は翌年の大学1年生時の時点でかなりフォームが変化していることがわかります。

 

 

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体格も良くなっている印象で

少し重心を下げ気味に地面をグリップする独特のフォームになっているように見えます。

 

 

 

そして翌年、大学2年次には春から10秒08をマーク。

 

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大学1年生の時と比べると、ピッチ(回転)が向上しているように見えます。

 

 

この年のロンドン五輪でも10秒0台をマークするなど大きく飛躍しますが

本インカレ準決勝で負傷。

 

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少し力押しになっていたせいでしょうか。

このフォームは脚への負担が大きかったようです。

 

 

その後、4年生時には全日本インカレを制するなど活躍しましたが

 

腰痛や負傷の影響もに苦しみ、自己記録を更新するまで4年を要しました。

 

 

 

 

特に社会人1年目の2015年などはかなり苦しんだ年で、

国体はここ一番の集中力でシーズンベスト10秒36(-1.1)をマークするも5位。

 

 

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この時期は200mも21秒台を切れなくなるなど噛み合わない時期だったのではないでしょうか。

 

 

 

この「噛み合わない」という感覚は厄介で

何とかよかった時期の感覚を思い出そうと、そのまま沈んでいく選手は多いです。

 

特にトップスプリンターなら尚更、微妙な感覚のズレをどうにもできないまま引退することが殆ど。

 

 

 

ところがどっこい、社会人2年目の2016年シーズンは大覚醒。

リオ五輪、秋の10秒03と躍進を遂げます。

 

ここまで怪我続きで低迷した選手が復活どころか以前以上に強くなって戻ってくる

というのは異例ではないでしょうか。

 

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このシーズンの走りはどれも素晴らしいです。

 

 

怪我続きの時期と比べて腰高になり、無駄な振り出しを徹底的に排除。

恐ろしく軽やかな走りへと変貌しています。

 

 

「ベスト記録を出した時に戻した」というより「全く別の走りを構築し直した」という表現が適切でしょう。

 

 

 

翌2017年も3月から10秒0台と好調な滑り出しで9秒台も間近かと思われた矢先、

足首の故障が発生。日本選手権は10秒39で6位。

 

夏の大会でも感覚が中々戻らず苦しんだようです。

 

 

「今後どうなるのか」と思われた秋の全日本実業団。

ここで何と日本歴代2位タイの10秒00をマーク。

しかも、ほぼ無風という条件。

 

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凄まじい完成度の走りで

「この日オリンピックが開催されていたら、山縣選手は決勝に残っていたのではないか」

 

と評した方もいたほど。

 

 

並大抵の選手ならそのまま引退してしまうレベルの2度の低迷から

鮮やかな復活を遂げた山縣選手。

 

 

 

2018年シーズン当初はかなりバルクアップした印象があり、

なかなかスタートが噛み合わなかったようですが日本選手権はキッチリ優勝。

 

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明らかに2016-2017年のフォームとも異なっており、

脚を前にリカバリーした後、ほんの一瞬、間を持つような感じになっています。

 

9秒91のアジア記録を持つ蘇 炳添 選手に似たテンポになった印象です。

 

 

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と、ここまで書いてきましたが、そろそろ決勝の時間です。

 

山縣選手と蘇選手の対決に期待です。